「お世話になりま〜す!」
なんだかんだ言って俺宅にリリスを連れてきた。
「エル。なんかハーレム状態じゃないの。この色男め。」
ルーファがひじで小突いてくる。
「リリスの部屋にする空き部屋が無いから俺と相部屋な。」
それにセラがにらんでくる。
「客間があります。客間なんてルーファさんしか使わないんですから。」
2つある客間の内、1つはルーファの私室と化しているけど。
「俺の性奴にするんだから俺と相部屋の方が効率的だろうが。」
俺のセリフを無視してセラとリリスが行ってしまう。
「まだセラとやってないの?」
ルーファがなんか言っている。
「めちゃくちゃガードが固くてなぁ。風呂の覗きもまだ成功していないのよ。」
即急に壁抜けの魔法とか、姿隠しの魔法とか開発せねば。
ちなみにルーファとフレリアの覗きは成功したことがある。写真は撮れなかったけど。
「セラって結構押しに弱そうだよね。ガンガン押しの一手に徹すれば案外簡単に落ちるかもよ。」
なるほど。なんかそんな感じがするよな。
「今度思い切りプッシュかけてみるか。これでセラのバージンをいただきだな。ぬっふっふっふ・・・。」
ルーファと2人でぬっふっふなんて笑ってみたり。
「よし、リリスが増えた所で自己紹介でもさせるか。」
今、食卓の席。ルーファの茶碗は他のより3倍ほどでかい。
「んじゃ、手始めに俺だな。俺は言わずと知れたエル・ハウンディーア様々だ。世界最大の魔法研究家にして最強の魔法使いだ。」
セラとリリスはちゃんと聞いていたようだが、ルーファとフレリアは食事に夢中になっていて聞いていないな。
「次、ルーファ。ルーファ。自己紹介しろ。」
隣でがつがつやっているルーファの肩を揺すってやる。
「ああ? 自己紹介? 何でいまさら?」
と言ってご飯を口にかき込むやつ。今日の飯は煮魚だ。
「お前、リリスはもちろんのこと、フレリアとも面識少ないだろうが。名前くらい名乗っておけ。」
ルーファが顔にご飯粒をつけたままフレリアとリリスの顔をきょろきょろと見ている。
「ルーファ・ミランダ。年はエルと同じのかわいこちゃんです。よろしく。」
自分でかわいこちゃんとかいうか? いや、こいつなら言うな。
「次は、隣。フレリアか。」
フレリアと夕食って久しぶりだな。
「フレリア・アツァリウォです。アルフヘイム出身です。年は聞かないでください。ずっと上ですから。」
この前、こっそり教えてもらったのだが、97歳だそうだ。まぁ、エルフだし。
「次は、あたし、だよね。リリス・アーツァブスです。本当にエル様の性奴になっちゃったの? あたしって? んと、19歳です。」
この中で一番若いんだな。
「別にエル様の言うことは聞かなくてもいいですからね。」
なんかセラが言っている。
「最後に私、セラ・ベルガナです。エル様の助手をさせていただいております。」
「公私共に俺のパートナーだから。」
セラがこれに否定する様子はないな。
「エル。それ、もらってもよい?」
ルーファが俺の魚を狙っているし!
「あほか! メインのおかずをねだるな!」
この前、知らない内に食われていたときがあったし。
「ちゃんとお代わり、用意してあるわよ。」
セラがルーファのところに煮魚の2つ目を持ってくる。
「ついでにご飯もお代わり!」
お前。俺の茶碗の3倍でかいのを使っているのに。
「お前、食いすぎ。何で太らないんだ?」
不思議だ。一緒に食事に行くと必ず3人前は片付けるのに。
「鍛え方が違うのよ。」
おほほほほ、なんて笑いながらルーファがセラの持ってきた山盛りの茶碗を受け取る。
「燃費の悪い体だなぁ。」
フレリアはフレリアで小食だしな。あれだけ小食であの機動力って燃費のいい体だよな。
「あたし、エル様が悪の組織に捕まってかわいそうになってないか心配だったんですけど、大丈夫だったみたいだね。」
リリスが煮魚をぎこちない箸使いでつつきながら言う。
「ある意味かわいそうなことになっているんだけど、慰めてくれるか?」
リリスが驚いた顔をする。
「あたしでよければ・・・。」
う〜ん、やさしい子だなぁ。
「リリスさん。エル様の冗談ですからね。」
この女は。
「そうだよね。こんな広い家に住めて、こんな美味しいご飯が食べられるんだもんね。」
リリスがパァッと表情が明るくなる。まぁ、衣食住は不自由していないさ。
「こんなかわいい女の子に囲まれて男が生活していると我慢できないことがあるのよ。分かる? 子どもだから分からないか? 後で俺の部屋に来たら丁寧に教えてやるけど。」
リリスがぷーっと膨らむ。
「あたし、子どもじゃないもん!」
「からかっているだけだから気にしなくてもいいわよ。」
別にからかっているわけじゃないんだがなぁ。その前に子どもじゃないもんって反抗する所が子どもっぽいよな。
ルーファとフレリアは食事に夢中だし。
また1人、家族が増えてウハウハなんだけど、欲求不満な日々はセラのせいでもうしばらく続くようである。
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