「こちらが、バーニングブラッド・エルスペシャルグレートバージョンです。」
ルーファの前に真っ赤なカクテルが出される。ブレンドは秘密。
「わぉ!綺麗じゃん!」
「冷めない内にくいっと。」
冷めない内に?ルーファがくいっと飲み干す。
「はああああ!きくぅ!!あっつーい!!」
ルーファが向こうを向いてじたばたする。
「効くだろ?全身の血が煮えたぎるみたいだろ?世界でたった一人、俺しか作れないからな。」
エルスペシャルだからな。
「美味しかったぁ〜、ふぅぅ〜。」
ルーファがぶっ倒れてしまう。
「グレートバージョンは強すぎたか。もう少し刺激を抑えるかな。」
グレートバージョン試作1号は失敗と。今日、始めて会ったやつを試作カクテルの実験台にするなよと。
「さて、さっきは邪魔されたがセラとセックスタイムだな。むふふふっふっふっふ。」
自分で潰したやつをホテルバーに置き去りにするのもなんなので、おぶって部屋まで運んでやる。
野郎ならともかく、一応、女だからな。親切にしておかないと俺のポリシーに反する。
「セラ!こいつの部屋ってどこ?って、寝てるし!」
爆睡して起きる気配ねぇし!
「隣か?」
移動してみた。鍵がかかっているし、ノックしても返事ねぇし、こいつは鍵持ってねぇし。
「ここに来る途中、ホテルのカウンターが締まっているのを確認したしな。俺と同じベッドで寝てもらうか♪」
近くで見るとかなり可愛いし、スタイルも抜群だからな。
「つーことで、おやすみ〜♪」
俺のベッドにルーファを転がし、一緒の布団に入る。
「・・・・・・・・・。」
酒臭いな。
「眠れ、ヒポポスペルポプ・・。」
ヒポポ?
「グベ!!」
いきなり脇腹にブローが決まる。
「いってぇ!内蔵がいかれたかも。」
ふと、ルーファの方を見るとなんか起き上がってきた。
「なにぃ〜、まだ息があるのか・・。」
寝ぼけてる寝ぼけてる!
「喰らえ!必殺グレートサンダーブラストォー!!」
ぐああああああ!!
じゃなくてな、ルーファがなんかびしっと右手を頭上に上げてポーズを決めている。
そのままふにゃふにゃっとベッドの上に倒れる。
なんか良く分からん夢を見とるのな。
ルーファと寝るのはちと危険だな。セラのベッドに入らせてもらおう。セラは寝相がいいからな。
そろそろっと足音を立てないようにセラのベッドに潜り込む。おお、いい匂い。
さっきの酒の匂いとは比べ物にならないな。
なんか異常に疲れた。こそっと襲いたい所だが、睡魔が邪魔する。
次の日。
「あれ?エル様。そんな所で寝て、どうしたんですか?」
あれ?なんかセラの声が結構離れた上から聞こえる。
「んん?」
あれ?なんかベッドから落ちてるし。
「んー?ベッドから落ちたのか。顔、洗ってこよ。」
ルーファはまだ寝てるし。ってか、上下逆さまになっているし!放っておけ。
「良し!出発!」
おお、すがすがしい出発だ。雷鷲の襲撃がない。
このまま平和に着いてくれることを願う。
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