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2003.11.29


第3話 魔法文明(5)



 そこに銀色に金属光沢を放つ長い円柱形の筒の様な物が写っていた。4000年以上も遺跡の中に埋まっていたというのに錆一つなく、 ほこりさえもかぶっていない。
 「ブレイズウェポンの中でブレイズソードに分類される魔法文明時代の兵器のようです。」
 ソードって、剣か?そう言えば剣の鍔のついていない柄の部分に見えないこともないな。
 「これって写真撮る前に磨いたりとかした?」
 あまりにも綺麗なので聞いてみた。
 「磨いてなんかいませんよ。誰も触れられないから遺跡の中に放置してあるんです。そんなのを磨けませんよ。」
 まぁ、触れられなければ磨くなんてできないわな。
 「不思議だな。んで、そのブレイズウェポンって何?」
 兵器とか言っていたな。
 「魔法文明時代の兵器です。使う時にここから光の刃が出るらしいですよ。実際の物を見たことはありませんが。」
 と言ってライナが写真を指差す。やはりこれは剣の柄みたいだな。
 「剣が持ち主を選び、選ばれた者しか触ることもできないそうですよ。」
 ふ〜ん。
 「明日、見に行きましょうね。」
 それは楽しみだ。

 その後、宿泊施設で飯食って、風呂入って、寝た。さすがに雑魚寝で寝るような場所でセラを襲ってセック○するわけにもいかないのでそのまま寝た。 明日が楽しみだ。


 「朝だ!」
 日の出が綺麗だ。夜は興奮して寝れなかった。なんか子どもみたいだな。
 「顔、洗ってこよぉ〜。」
 まだ誰も起きてこない早い時間だ。

 「おはようございます。今日は早いですね。」
 ちょっとぶらぶらしている所にセラとライナが現れる。 今日は両手に花で遺跡探検ができるのだから楽しみでしょうがないな。
 「実は昨日、たまらなく楽しみで寝付けなかったんだ。朝日が綺麗だったぞ。」
 今日もいい天気だ。
 「私も始めてきた時は興奮して眠れませんでしたよ!」
 同類を発見して嬉しいのかライナがはしゃいでいる。
 「それじゃ、朝ご飯食べてきましょう!」
 朝ご飯を食べなければおなかが減ってはしゃげないからな。

 「よっし!出発!」
 俺を先頭にライナとセラが続く。
 「むやみに壁を触らないでくださいね。古いので崩れるなんてことがありますから。」
 はい。気をつけます。
 遺跡内部に入ってもライトが道を照らしており、楽しく遺跡見学できた。
 「実は屋上部分から入るんですね。」
 まぁ、埋まっていて上から掘り出すのだから屋上部分から入った方が早いよな。
 「1階の玄関は出ているのか?」
 まぁ、地中深くで玄関から遺跡に入るということはしないと思うが。
 「ここは4階ですから3つ下層に行きますとありますね。まぁ、玄関の外は土で埋まっていて出れませんけど。」
 そうだと思った。

 「もう大分見てきたけど、空の部屋ばっかだな。」
 なんにも置いてないからローラチア遺跡より面白くないのと違うか?遺跡見学といえば古の時代に作られた未知の遺物を見てこそだろうが。
 「皆、外に運び出してしまった後ですから。玄関より下層に行くとまだ発掘中の場所があって面白くなると思いますから、 もう少し待ってくださいね。」
 しょうがないな。
 「エル様!おっきなモニタがありますよ。ちゃんと使えるのかしら?」
 と、セラの指差す先に部屋一杯のでかいモニタがあった。
 「動きませんよ。壊れているみたいです。」
 それは面白くないな。
 「さ、もうすぐ1階ですからね。」
 ライナに続いて階段を下りる。

 「ここが玄関です。」
 そう言ってライナの指差す先は土に埋まっていた。
 「これじゃ玄関から出れないな。外郭は発掘しないのか?」
 観光名所となっているローラチア遺跡も埋めたまま屋上から中だけを見学する形だったからな。
 「外側を掘り返してもアンティークは出てきませんから。」
 アンティークって、遺跡から発掘されるやつのことだな。多分。
 「お前、魔法文明の遺跡から発掘される物は大きく分けて3つあるっているのを知らないのか?」
 おととい、セラに力説してやったな。
 「アンティークと魔法と、えっと、宝石とかの財宝ですか?」
 オイ。まぁ、多分、間違ってはいないと思うが。
 「違う。1つ目は魔法文明時代に作られた品物。ここにアンティークとか魔法とか、財宝とか含まれる。 2つ目はモンスターだ。魔法文明の遺跡に閉じ込められた古代の生物だな。 それで最後の3つ目がこの遺跡自体だ。1つ目に含めてもいいと言うやつもいるのだが、 大部分のやつが見落としがちなので3つ目に強調しておいてやる。」
 遺跡の建物自体、魔法文明時代に作られた物だからな。
 「モンスターとこの建物ですか?え?モンスターも含めるのですか?」
 こいつ、わかってないな。
 「モンスターも遺跡から出てくるだろうが。さすがにモンスターって生き物をアンティークとか魔法書とかって物と一緒にできないだろうが。」
 ライナがなるほど、見たいな顔をしている。納得していただけたようだな。
 「この通り玄関の外は土に埋まっていて見学できませんから、地下に行きましょうね。」
 発掘されていない物はしょうがないからな。先に進もう。
 ライナの後ろに続いて階段を下る。


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