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2003.12.23


第4話 アルフヘイム(5)



 「着きました!」
 洞窟の最深部。人工的な手が加えられた一室となっていた。
 「うぇ?!気をつけてください!なんか、凄いのがいます!」
 なんか多数のモンスターが融合したようなモンスターが祭壇に居座っていた。
 この洞窟に出現するモンスターの種類は大きく分けて3種類。その3種類が混ざった様なでかいやつだ。 洞窟と違ってこの祭壇の一室は人の手が入り、いくぶん広く、天井も高くなっているからあんなでかいモンスターでも動き回るのに不自由しないだろう。
 ちなみに3種類はレッサービースト、ケイブビー、レッドスライムとフレリアが呼んでいた。
 レッサービーストはヤスニソス遺跡で俺に襲い掛かってきた痴れ者で腕が4本、ヤギの様な頭と角、 鋭い牙と爪、足が短い二足歩行と言うやつだ。
 ケイブビーはそのまま洞窟に生息する蜂だ。昼間は洞窟に潜み、夜になると洞窟から出て森の動物を狩るのだそうだ。
 レッドスライムは赤い粘液質のゲルだな。目玉の様な核が見えるから、それをつぶすと退治できる。 体が強烈な酸だから銃弾とか、普通の剣とかは核に達する前に解けてしまうので注意だ。 まぁ、俺たちの使っている武器は普通の武器じゃないから全く持って問題なく、雑魚だな。
 と、言うことで、この洞窟のボスキャラみたいなでかいモンスターはそれが何十匹も混ざったみたいなやつだ。
 「で、どうするんだ?」
 後ろはさっき紹介したモンスターがうじゃらうじゃらと迫ってきている。
 「退治します。」
 フレリアは戦闘態勢だ。
 「しょうがねぇなぁ。後ろは任せろ。」
 これだけ広いスペースがあればエルウィップが使える。魔法だけで複数相手にできないが、 この古代の兵器ならできるのだ。
 「お願いします。」
 セラとフレリアがモンスターの親玉に向って走り出す。モンスターの親玉も気付いて動き始める。
 「俺って普通に魔法研究をしに来たんだがなぁ・・・。」
 金属の柄から光り輝く鞭が出現する。
 部屋に飛び込んできたモンスター供を片っ端から叩きのめす。

 「それ!」
 セラが懐から取り出した手榴弾を投げつける。巨大なモンスターに当たる瞬間、爆発して表面を抉る。
 「やぁ!」
 手榴弾の爆発でひるんだ所をフレリアが切りつける。切り裂かれた所から青い体液が噴出す。
 「大きいだけで大したことない!」
 フレリアに切り付けられ、フレリアに気が行った所をセラが逆から切りつける。
 今日、会ったばかりだと言うのに息のあったコンビネーションで巨大なモンスターは手も足も出ない。

 「数が多くてだりぃ。塞いだ方が早いな。」
 岩とかで塞ぐと楽なんだが、そうすると出られなくなるしな。やはり結界だよな。
 「ちょっと下がれ。大風塵呪符!」
 突風を発生させる風塵呪符を強化魔法で強力にした魔法だ。強烈な衝撃波が部屋の入り口付近にいたモンスターたちを吹き飛ばす。
 「強力障壁方陣。」
 部屋の入り口に休憩時に使った結界を展開する。
 この強力障壁方陣は手放しでも障壁を保つことができるのだ。だから休憩する時に便利なのだ。
 部屋の入り口に展開しておくことで、俺様の手を煩わせずにふたができるのだ。
 「これでしばらくは入って来れまい。向こうはどうなったかな?」
 後ろを振り返って見る。

 「傷が再生していく!」
 フレリアとセラの2人で切り刻んだモンスターの体が、たちまち元通りに再生していく。

ぎぃいいいーーーん!!

 フレリアの剣がモンスターの体に弾かれる。
 「硬い!?」
 突然、モンスターに剣が効かなくなった。2人がモンスターと間合いを取る。
 「苦戦しているみたいだな。ここは俺様の出番か?」
 「エル様!入り口はどうしたんですか?」
 突然、声をかけてきた俺に2人が驚いている。
 「結界で塞いできた。」
 2人が入り口を振り返る。部屋の入り口が淡く光る球によって塞がされいた。
 「俺は早くこんな所から出たい。」
 巨大モンスターに向ってエルウィップを振り下ろす。

ばぁあああーーーん!!

 光の鞭が巨大モンスターを粉砕する。
 さすが古代の兵器だ。威力は半端じゃないのぅ。
 「うわ、一撃だし・・・。」
 フレリアとセラが呆然としている。
 「ふ。俺様最強。」
 粉砕されたモンスターの破片が蒸発して消滅していく。
 「よし。祭壇の調査だ。」
 ボスキャラも倒したし、調査だ。


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