「うははははは! 魔法に耐性があっても俺様のエルウィップの前には無力ぞ!」
一般人には触れることもできない最強の部類に入る古代の兵器だし。銃弾を魔法で弾き返し、エルウィップで敵をなぎ払う。俺様って最強!
「うぇ〜ん! 次から次に出てくるよぉ!」
リリスがなんか後ろで泣き言を言っているな。先頭で俺がエルウィップで道を切り開き、その後ろにフレリアが続き、さらにその後ろでセラとリリスが銃を持って後続の敵を撃ち落している。
「とりあえず、どっかの部屋に入って休憩するか。」
強化障壁方陣で結界を張ってしまえば入って来れなくなるのだ。んで、たっぷり休憩すると言う。
「エル様! あそこにリフレッシュルームなんて書いてありますよ。」
後ろに続くフレリアが言う。
「ドアについているプレートなんて読めねぇし!」
小さいし、敵の猛攻で視界を遮っているし。文明から離れて生活していると視力がよくなるのか?
「左側、2枚戸の周りと少し雰囲気の違うドアです。」
ん? あれか。
「死にたくなければ退け。」
大風塵呪符! 強烈な突風が前方の敵を残らず吹き飛ばす。
「セラ! 伏せろ!」
俺の声と同時にセラが伏せる。振り向き様に後続の敵へ大噴水呪符。大量の水が鉄砲水となって後続の敵を残らず流し去る。
「ふぇ〜ん! あたしにも注意してよぉ!」
セラが伏せたのに気付いたリリスがとっさに伏せたから良かったが、伏せなければ一緒に流されていたな。
「セラの方が短いし。」
さらに呼び慣れているし。
「エル様! 早く!」
俺を追い越していたフレリアが呼んでいる。先に行ってリフレッシュルームのドアを開けていた。
「よし、休憩だ。行くぞ。」
セラとリリスの手を引いて立たせてフレリアの所へ向う。
「毒は入ってないな。」
リフレッシュルームに強化障壁方陣で結界を張り、外部からの侵入を閉ざしてから一服している。なんか缶ジュースの自動販売機とかマッサージ器とか完備されている。
「異常はないみたいですね。」
リフレッシュルームに入ってリリスが真っ先に自動販売機でジュースを買ってぐびぐびやっていたからな。毒が入っていればすでにリリスが死んでいる。
「うにゅ?! 毒って何?」
リリスの持っていた缶が手から滑り落ちる。しかし、中身はすでにない。
「毒が盛ってあっても大丈夫だって。ちゃんと解毒する魔法もあるから。」
数えるほどしか使ったことがないが、大抵の毒や病気は浄化できる。
「良かった! もう1本。」
とか言ってリリスがもう1本買う。
「リリスさん。別に買わなくてもここをこうして開ければ取り出せますのに。」
なんかセラが自動販売機を開いて中から缶を出しているし! なんか普通に冷蔵庫を開けるように開ける様が凄いな。
「エル様はアップルジュースですよね。フレリアさんはどれにします?」
セラがフレリアに聞きながら俺にアップルジュースの缶を投げてくる。
「私もアップルジュースで。」
それを聞いたセラが自動販売機の中から缶を取り出して自動販売機を閉じる。それからフレリアの隣に行ってフレリアと2人で同じアップルジュースを飲み始める。
「あ、このマッサージ器って有料じゃん。これもただで動かせねぇか?」
敵のアジトのど真ん中でマッサージ器を使うのってあれだけれども。
「マッサージ器は使わないものですから、すみません。」
ダメか。1回200Cなんだよな。
「ちゃんとお金払わなきゃダメだよ。」
リリスがなんか言っている。
「小銭ないし、この後、誰が回収するのかわからんし。」
ここは今日中に俺たちで制圧してしまうからな。
「うにゅ。こういうのってここをいじるとお金を入れなくても動いたりするんだよ。」
リリスが背中のリュックから工具を出してお金の投入箱の裏辺りをいじっている。
「あ、動いた。」
動いたし。
「おお〜、効くなぁ。リリス。足、揉んで。」
このマッサージ器って肩と腰しかマッサージしてくれないからな。
「こう?」
リリスが脛の辺りをモミモミと。
「ふくらはぎとか揉んで欲しいのだが、この姿勢じゃ無理だな。足の裏がいいな。」
脛なんて揉んでもマッサージにならんし。
「足の裏はイヤだよ。臭いし。」
ぬぅ?
「別に臭くないから安心しろ。俺の靴には足の臭いを取ってくれる中敷を使っているからな。」
マークとかに足が臭いとからかっているから自分の足は臭くないようにしないと反撃されるからな。
「そう? どれどれ?」
リリスが靴に鼻を近付けて匂いを嗅いでいるし。
「うにゅ? ホントに臭くないね。」
中敷の脱臭効果はしっかり効いている様だな。
「こんな感じ?」
リリスが俺の靴を脱がして足の裏のマッサージを始める。
「そんな感じ。おお、なかなか気持ちいいな。」
う〜ん、なかなか素直でいい子だなぁ。なんか向こうでセラが険しい顔をしているのがちょっと気になるけど。
BACK
/
TOP
/
NEXT
|