「いるし!」
作戦通りに食堂に行ったら冷蔵庫の中をあさるルーファを発見した。
「あ、エル。ここの連中、あんまりいいの食べてないよ。」
と言いつつルーファが冷蔵庫から出てくる。
「予想通り、冷蔵庫をあさってんじゃねぇよ!」
ルーファが手にハムとソーセージ、果物類の盛り合わせを抱えている。食うのか?
「おなかすいちゃって。食堂って書いてあったから真っ先に入っちゃったよ。」
相変わらず燃費の悪い体してんなぁ。
「まぁ、いつものことだからいいか。」
ルーファたちの隊も4人の少人数編成でルーファ、マルコスと後2人というメンバーだ。後2人って戦闘訓練中に顔くらいは見たことがあるが、名前まで知らないって言う連中。まぁ、野郎の名前を覚えるつもりはない。
「今、気付いたのだが、こっちは男1人に女3人ってメンバーなのに、そっちは女1人に男3人ってメンバーなのな。」
俺の所って両手に花どころか1人余ってしまうじゃん。
「マルコス様。ここの電話端末からハッキングしてここの見取り図を手に入れたんですけど、使いますか?」
セラがマルコスのおっさんの所へさっきリフレッシュルームで作った見取り図を見せる。
「わしらもここでハッキングして手に入れたんだが、違いがないか確認しておくかの。」
簡単に手に入って罠って可能性はないかってセラも疑っていたからな。マルコスとセラが互いの見取り図を交換して中身を確認する。
「・・・。同じ様ですね。」
多分、同じ所から落としたんだろ?
「私たちはこういうルートで地下に向います。マルコス様たちはここからどうします?」
セラがマルコスのおっさんにこれから行くルートを指でなぞって教える。
「まだ決めていないな。ルーファの食事を見ながら決めようと思ってな。」
見ながらって一緒に食事しないのか。
「見取り図の他に何かわかったことない?」
とりあえず、情報交換だ。
「そうだな。本隊は無事に侵入して順調に制圧しているらしい。それから上に行っても何もなかったぞ。」
さよか。
「次は俺たちだな。とりあえず、ここの連中って俺の魔法が効きにくいのよ。火炎攻撃とか電撃攻撃とかを受けて無傷なのがいるのよ。後、人数がやけに多いな。」
こんな所だな。
「心得ておこう。」
情報交換はこの辺だな。ルーファはまだ食べているし。
「んじゃ、俺たちは各部屋を調査しながらゆっくり下に行くから先に行くぞ。」
ルーファが食事に夢中になっているので先に食堂を出る。
「資材倉庫ですね。」
ドアの開け放たれた資材倉庫で、ドアのに『資材倉庫』って書いてあった。
「なんか持ち出された後みたいで何にもねぇな。」
トイレットペーパーとか洗剤とかがあるくらいだ。使えそうな薬や武器類はさっぱりだった。
「隠しドアもないな。次に行くか。」
収穫なし。
「資料室ですね。」
鍵がかかっていたけど、セラがピッキングで開けてしまった。
「何かないか手分けして探すか。」
強力障壁方陣で外敵を締め出す。
「取引記録。雷鷲の内部調査記録。内部調査記録って何が書いてあるんだ?」
それにリリスも気になったのか俺の開いた雷鷲の内部調査記録を覗き込んでくる。
「雷鷲かわいこちゃんリスト。bP アリーシャ・イーグル。年齢42。誕生日6月11日。身長153p。体重46s。3サイズ98、56、89。ブロンドの長髪に青い目。雷鷲総帥の奥さんである。23歳の息子がいる。かなりの美人でプロポーションも良い。」
・・・。
「えっと、bQ オグ・シリサナ。年齢24歳。誕生日1月30日。身長162p。体重52s。3サイズ73、52、86。空色のショートカット。目は青い。雷鷲最強の戦士シャイリースとできているらしい。胸はない。」
オグちゃんの誕生日って1月30日なのか。今度、プレゼントでも贈るかな。
「ぱらぱらっと行って、bU4 リリス・アーツァブス。年齢19歳。誕生日12月25日クリスマス。身長156p。体重62s。3サイズ112、62、92。ブロンドのショートカット。目は青い。現在、フリーらしい。プロポーションが最高のかわいこちゃんである。ねらい目。」
・・・。
「体重とかってどうやって調べたのよ!」
62sって女の子にしてはちょっと太めか? ぷにぷにしてかわいいけど。
誕生日はクリスマスか。覚えやすくていいな。それにクリスマスのプレゼントと一緒にできていいな。
「うわ! うっそぉ!」
雷鷲の内部調査記録ってこれかい!
「黒馬のもあるな。bP2 セラ・ベルガナ。年齢20歳。誕生日8月10日。身長170p。体重48s。3サイズ108、63、89。黒髪の長髪で黒い目。黒馬の魔法使いエルとは微妙な関係らしい。なかなかの美女である。ねらい目。」
・・・。
「微妙ってなんだよ。」
誕生日って8月10日なのか。今度プレゼントでもするか。そのままベッドインまで持ち込んでやるぜ。
「エル様! ちょっと来てください!」
なんかセラが呼んでいるな。
「何だ?」
とりあえず、声のした方へ行ってみる。なんか棚から出した資料で凄いことになっているし。
「あ、エル様。ここの戦闘員の使っている装備についての資料がありましたよ。」
装備なぁ。
「これです。」
インナーシャツだな。ああ、ファイアクレストの描いてあったやつか。あ、雷神呪符のやつもあるじゃん。2種類あるのか。ファイアガード、サンダーガードって言うらしい。
「ほほう。こっちの火のやつは火炎の攻撃を一切無効化するのか。ついでにこっちの雷のやつは電撃の攻撃を無効化すると。」
ついでに魔法攻撃を効きにくくする効果もあるらしい。だから俺の妖術呪符が効かなかったんだな。
「んで、誰が作ったんだ?」
あ、作成者の名前まで書いてある。
「マーク・モッチョン。モッチョン博士か。」
鼻はでかいけどやはり魔法研究の第一人者だな。なかなか凄い物を作っている。
「ここで開発したんじゃねぇのかよ。ちょっと期待して損したな。俺と魔法開発で張り合えるのはこいつだけか。」
あのおっさんをライバル視するのはちょっと嫌だが。
「注意する装備はこのくらいですね。後は私たち黒馬で使っているものと変わらないです。」
世界で1位2位を争う黒馬と同じ装備を使っているのかよ。
「他にも何かないか探してみますね。」
と言って探すものの、他には何もめぼしい物は出てこなかったのであった。
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